高齢女性の友暮らし

繭棚まゆだな

わたしたちの終の住処を、自分たちの手でつくる。

構想段階です。お茶会に参加して、あなたのアイデアも聞かせてください。

繭棚とは

場所は、都心へのアクセスがよく、緑の多い町田市内に。

繭棚(まゆだな)は、ひとりで暮らす女性が、年を重ねても安心して暮らせる住まいの構想です。物件も資金も、住まいの形も、まだ決まっていません。この種を一緒に育ててくれる人を探しています。

プロジェクトのきっかけ

はじまりは、母の口癖でした。

「わたしの終の住処はどこなんだろうね」

転勤の多い家族で、帰る場所がありませんでした。父を見送ったあと、母は家を売って軽費老人ホームに移りました。その部屋を終の住処にしたいと言いますが、要介護になれば出ていかなければなりません。母は大阪にいて、子どもたちはみな東京にいます。

人は、終の住処を自分で決めることができない。離婚して独り身になり、「高齢者は賃貸を借りにくい」と言われる歳になったいま、それはわたし自身の問いでもあります。

繭と、繭棚

繭棚は、もともとお蚕さんの繭を並べて置いておく棚のことです。母も子どものころ、カイコを飼って育てていたそうです。

繭棚では、一人ひとりの部屋と暮らしを「繭」と呼びます。

自分の部屋で好きに過ごし、ときどきみんなの居間に出てきて、お茶を飲んだり、ご飯を食べたりする。そしてまた自分の部屋に戻る。その行き来ができる場所が繭棚です。みんなで使う居間や台所のことを、コレクティブハウスでは「コモン」と呼びます。

わたしの経験

上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』でコレクティブハウスを知り、わたしは町田市内のコレクティブハウスに2年間住んでいました。月に1回「コモンミール」と呼ぶ食事会でみんなとご飯を食べ、イベントを楽しみました。けれど、自治会による運営にはどこか縛りがあって、途中で抜け、有志でご飯の会をつくったこともあります。

並行して、大阪のLGBTQフレンドリーシェアハウスに1週間暮らしたり、多拠点生活サービスのADDressでいろいろな拠点に暮らし、そこで出会った人たちと交流したりしてきました。

そこで感じたのは、誰かと一緒に暮らすことの心強さと、決まりごとが重くなると居心地が悪くなるということです。この経験を、繭棚に生かしたいと思っています。

シェアハウス・コレクティブハウス・タウンコレクティブ

言葉の違いを簡単に説明します。

シェアハウス
その名の通り、いろいろなものを共有する暮らしです。キッチン、トイレ、洗濯機、リビングなどを共有するため、プライバシーが心配な人もいます。その反面、共有スペースに自然と人が集まるので仲良くなりやすく、体調の悪い人をフォローしやすいのが利点です。若い人向けと思われがちですが、高齢者のグループホームなども同じような構造です。大きな一戸建てがあればできるので、いちばんコストが安い形です。
コレクティブハウス
水回りを自室にもって一定のプライバシーを守りながら、組合をつくって暮らしを共同で運営する仕組みです。コモンミールという食事会があったり、防災について話し合ったりします。組合が組合費から保証会社の代わりをするので、家賃保証会社を使えない人も入居できるのがメリットです。デメリットは、組合での決めごとで揉めることがあること。寮やマンションの一棟借りが必要なので、実現には大きなコストがかかり、そのぶん低所得の人は入りにくくなります。
タウンコレクティブ
コモンルームになる場所を中心に、徒歩圏内にみんなが別々に住む形です。いちばんプライバシーが守られる暮らし方ですが、突然死などに気づきにくい面があります。みんながいつもコモンを使うとは限らないので、三つのなかではいちばん距離のある暮らしかもしれません。

住まいの形は、白紙です

どの形にするかは、わたしひとりが決めることではありません。集まった仲間と、物件との出会いのなかで、コミュニティが決めていくことだと思っています。

ただ、どの形になっても、みんなで使う台所と居間(コモンキッチン、コモンリビング)はつくりたいと思っています。

繭棚が大切にすること

一人になれる場所と、誰かといられる場所

自分の部屋にこもれる時間と、居間に行けば誰かがいる安心。その両方があること。

専門的なケアは公助に。仲間は、いてくれるだけでいい

身体介助や医療は、介護保険や障害福祉サービスに任せます。繭棚が担うのは、その隙間です。孤独な夜や、つらい朝に、誰かがいてくれること。

コレクティブハウスでの経験から、当番や役割を重い義務にはしません。

手の届く負担で

入居時に100万円近くかかるような住まいは、選べない人がいます。住まいの形にこだわって費用が高くなれば、本当に住まいに困っている人が入れなくなってしまいます。低年金や生活保護で暮らす人も受け入れられる場所を目指します。

看取りまで

終の住処と名乗る以上、「要介護になったら出ていく」場所にはしません。重い要介護や認知症にどこまで対応できるかは、専門家と一緒に考える必要があります。

だれのための場所か

繭棚の中心は、ひとりで年を重ねていく女性です。死別、離別、未婚。理由はさまざまでも、同じ家に頼れる大人がもう一人いない人が、支え合って暮らす場所です。

ただ、ひとりで生きていくことを考えはじめるのは、50代や60代になってからとは限りません。40代は、子どもを持たない、結婚せずに生きていくと決める人が出てくる歳でもあります。だから繭棚は、40代から70代の、ひとりで生きる女性に開いておきたいと思います。

仲間を、探しています

わたしは繭棚を思いつき、言葉にしてきた提唱者です。法人をつくったり、物件や資金を用意したりする力は、今のわたしにはありません。だからこれは入居者の募集ではなく、「このアイデアを一緒に、あるいは代わりに形にしてくれる人はいませんか」という呼びかけです。

まずはお茶会をしながら、みんなの不安なこと、困りごとを共有して、実際のアイデアにつなげたいと思っています。

こんな方からの連絡を待っています。

  • 自分も、終の住処を決められずにいる
  • 資金、法人運営、不動産、福祉などの力や知識を持っている
  • このアイデアを、自分の手で実践してみたい
  • 場所や資金、知恵や経験を貸せる
  • まだ何も分からないけれど、もっと話を聞いてみたい
  • できたら自分が住みたい

これまでの歩み

2023年6月
繭棚プロジェクトを立ち上げ、構想をウェブで公開
2023年
町田市内外の子ども食堂や地域の居場所を見学し、市の子ども支援課や社会福祉協議会に話を聞く
2023年12月〜
町田市木曽東の居場所食堂「ぼくはぼく」で、こども食堂の立ち上げに参加
2026年
ZINE「ケアする問い」(note)で、構想をあらためて公開

参考にしている本

  • 上野千鶴子『おひとりさまの老後』
  • 上野千鶴子『家族を容れるハコ 家族を超えるハコ』
  • 『これが、コレクティブハウスだ! ―コレクティブハウスかんかん森の12年』
  • 『コレクティブハウジングの勧め』
  • 『第3の住まい ―コレクティブハウジングのすべて』
  • 『コレクティブハウジングただいま奮闘中』
  • 『集まる場所が必要だ ―孤立を防ぎ、暮らしを守る「開かれた場」の社会学』

お問い合わせ

フォーム feminist.mixpie.design
Instagram / Threads @minamixmx

構想の詳しい内容は、note「繭棚 —— わたしたちの終の住処を、自分たちの手でつくる」にあります。